日向薬師に小旅行。~前編~

自宅からバス→電車→バス→バスと乗りついで約3時間。

文化の日のお休みを利用して、伊勢原市に行ってきました。

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20151105_2行き先はこちら。

宝城坊 日向薬師でございます。

実はこの日向薬師に来るのは去年12月と今回で2回目。

小旅行並みのこの場所に2度足を運んでいる理由は、現在こちらの本堂が、平成22年11月から平成28年9月まで7年がかりの『平成大修理』を行っており、年に数回、工事見学会が開催されています。

ちょっと長くなりそうなので、お暇な時に続きをどうぞ。

この本堂、最初に建てられたのはいつか、はっきりは分からないようですが、過去に2度ほど修理が行われており、1回目が室町期 康暦2年(1380年) 630年前、2回目が江戸前期 万治3年(1660年) 350年前、そして今回が3回目だそう。

桁行き方向:七間(約22.7m)×梁間方向:五間(約21.0m)、高さ約17.7mの茅葺屋根の大きなお堂です。

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↑説明用の図面を撮ったもの。
見えにくいかもしれませんが、梁間方向の断面図です。

 

日向薬師のホームページのトップに出てくるお堂が今回修理しているお堂の写真です。(日向薬師のホームページはこちら。)

そのお堂をすっぽり包むような上屋の中に足場を組んで作業しています。

工事を請け負っている現場の方がここまでの工程を説明してくれました。

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↑茅葺屋根の軒の高さにちょうど足場が組まれています。
かなり屋根が傷んでいるのが見て取れます。

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↑手作業で茅を下していきます。

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↑茅が下され小屋組みが表わになりました。

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↑小屋組の土台と、軒を支える隅木が出てきました。

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↑天井の垂木が外され、小屋梁と軒桁、天井の下地が見えています。
向かって左側の一段下がっているところが外陣の天井、右側の少し高くなっているところが内陣の天井になります。

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↑小屋梁を外すと柱頭が見えます。

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↑地面に柱を載せていた束石が見えます。
ずらっと並んでいる赤や青の棒は今まで建物をさせていた柱や梁の部材です。

この部材たちをひとつひとつ調べ、傷んでいる部分はとって新しい部材と継いでまた使います。

説明によると、かなり白蟻の被害が大きく、スッカスカになってしまった柱が2本ほどあったとか!(危険!)

それでも再建する際、8割は元々使われていた木材が再び使われるそうです。

 

以上、解体までのお話でした。

ちょっと長くなったので、前編はここまで、後編は平成26年3月から始まった組み上げ工事最中で2度参加した見学会の時の現場の様子です。

日向薬師に小旅行。~後編~に続きます。

4件のコメント

  1. へえ、7年がかりとはすごいです。僕だったら、そんなに待ちきれないです^^
    それに、建てられたのが1300年代より前なんて、もっとすごいです。長生きな建物ですね。

  2. ずいぶん前に法隆寺、薬師寺の宮大工、西岡常一さんの本を読んだことがあります。
    樹齢千年の木で建てれば建物は千年もつんだと言われていました。

  3. れんとさん。
    1000㎡もある建物ですし、色々調査をしながらの工事なので、時間が掛るようです。
    柱の何本かは完全に白蟻に食べられてしまっていたそうで…平屋建てだったから崩れなかったのかも^^;
    来年には完成して足場も外れるそうなので、その頃にまた行きたいと思っています。

  4. petitcervinさん。
    樹齢千年の樹!なかなかお目にかかれなそうだわ…。
    この見に行った日向薬師本堂はすぐ後ろに山を抱えているので、かなり条件が悪いそうですが…もしかするともっと古い木を使うともっと持ったりするのかしら?

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