少し時間があきましたが、日向薬師に小旅行。~前編~の続きです。
平成の大改修中の日向薬師本堂。
その工事現場見学会に行ったお話でございます。
ここからは去年12月と今年11月に行われた工事現場見学会様子です。
去年と今年、この1年間で大きく変わったのは何と言っても屋根。
去年は小屋組みを始めているところでしたが…
厚さ75cm(すごく分厚い!)の茅葺を葺くと…
(下の写真は茅葺の一部分をつくったもの。右側は断面、左側は裏側(内部天井側)からみたところ。)
こうなります。
ちなみに茅葺職人さんは今はほとんど廃業されていて、少し前までは伊勢原市内に一人茅葺職人さんがいらしたそうで、川崎民家園などの補修などをされていたそうですが、今はもう廃業されており、今回は京都から茅葺職人さんを呼んだのだとか。
材料の茅も今では確保するのが難しく、茅葺屋根を維持するのは相当なお金が掛るそうです。
確かに、自分が子供の頃は近所にも茅葺屋根のお家がありましたが、今では取り壊されたり、上にトタンを被せたりして、茅そのものが出ている家は1、2件になってしまいました。
ある程度は差し茅で対応出来るようですが、数十年で全て葺き替えなくてはいけないそう。職人さんも材料も確保が難しいとなれば維持が出来なくなってしまうのもうなずけます。
正面の軒下には赤く塗られた柱や飾りがあります。
龍を象った彫刻があったのですが、補修中のため取り外されていました。
今年行ってみるとちゃんとしかるべき場所に設置されていました。
1年でここまで進むのね…。
室内は去年の時点では真っ暗で柱が立っているのが分かるくらいの状態でした。
今年はお堂の中の細かな細工の工事も始まっていました。
↑外陣(参拝するスペース)。
左側が入口。右側の階段を上がった先が仏様を祀る内陣。
風雨にされていない新品の茅葺を間近に見る機会はもうないだろうとの説明でしたので、最後にパノラマで屋根の写真を撮ってみました。
なんだか、説明を聞いたり質問したりすることばかりに気を取られてもう一つな写真ばかりでしたが…以上、日向薬師に行ったお話でございました。